結婚相談所をネタにした話は面白いだろうな……とは思っていましたが、方向性が定まっておらず、福岡さんは「失敗おじさんシリーズ(現在は非公開)」の一つとして考えました。「失敗おじさんシリーズ」はラストがバッドエンドがコンセプトだったんですがどうにもウケが悪かったんで「じゃ、ゆるーくハッピー」くらいにしてみるかと、プロットを構築。
このままだと地味な話なので、コメディ要素としてコンサルティングの相談員を毒舌キャラにしてくれとお願いしました。シナリオを担当したのは、これがウチでの初仕事となる古澤様です。
そうして上がったシナリオが秀逸でした。特に福岡さんのキャラがとても良かったんです。作画のハイツ6様のキャラ案も秀逸で、福岡さんはポニテとボブカットの二案あったのですが、断然ボブカットの三白眼キャラを推しました。これに加えてあんみんと様のトボけた口調の演技も相まって、とても良いキャラに仕上がりました。
これを一話で終わらせるのはあまりにもったいない……。そこで単話のシリーズとして再構成します。福岡さんはコメディリリーフというより主軸に据えてミラクルを起こすキャラに。他にも感動要素をしっかりと加えようと思いました。
別のお話を作ってもらっていた古澤様にお願いして、再び福岡さんを依頼。ただ、この時点では一話の映像化はされていないし、まだ福岡さんの解釈に齟齬がありました。福岡さんが主軸だけど「存在は傍観者」という立ち位置が分かり難かったのかもしれません(ちなみにこの段階ではタイトルもまだ決まっていませんでした)
そんな中で三つ目に出来たシナリオがアラ還ロッカーの話です。これがとてもよく出来たストーリーで、以後はこの話をフォーマットにしています。
しかしまあ、YouTube向きな構成ではないですよね。
ショート動画全盛の中、逆行してます。長尺という意味もありますが話が複雑です。
例えばアラ還ロッカーの話ですが、すみれの祖父の店に二人で行きます。何気なく見てると気づかないかもしれませんが、冷静に考えてください。場所は新宿二丁目界隈です。アホみたいに地価が高い場所です。そんな場所に「つぶれた店がそのまま残っている」というのは普通ではない……。そこら辺ですみれの背景を妄想すると、より深みのあるストーリーに(w